なぜ結婚相談所の女性会員は男性に無理難題をふっかけてくるのか?
(更新 )

「結婚相談所には、ろくな女がいない…」。よくいわれるセリフですが、はたして本当にそうでしょうか?
この記事では、テレビ番組で大きな話題になった結婚相談所の婚活の事例をもとに、婚活中に無理難題を言い出す人の本当の目的を考えます。あわせて、婚活で理不尽な目に遭ったときに、あなたがどうすればいいのかもお伝えします。
結婚相談所には、ろくな女がいない?
大問題! ザ・ノンフィクションの登場人物たち
大荒れしたテレビ放送|ザ・ノンフィクションの婚活回2024年2月、フジテレビの番組『ザ・ノンフィクション』で、結婚相談所での婚活が取材・放送されました。タイトルは『結婚したい彼と彼女の場合 ~令和の婚活漂流記2024~』で、前後編の2週にわたる放送でした。
中身のひどさもあって、婚活界隈では大反響でした。著作権の関係で画面は紹介できませんが、検索するといろいろ出てくると思います。
この番組は、放送直後からXを中心にたいへんな議論を巻き起こし、婚活業界は大荒れ模様。あまりに現実離れした状況に、「仕込みか!?」「ヤラセじゃないとこうはならない!」という声まで聞かれるほどでした。
論点はたくさんあるのですが、今回の記事では「あまりに男性がかわいそうすぎないか?」「結婚相談所の女性会員には、ろくな人がいないのか?」という観点から、俺婚なりの解説をしたいと思います。
私たちは寡聞にして、テレビ番組で放送されたような女性に遭遇したことはありません。しかし、一部にこういう婚活女性がいるのも事実だと思われます。
まずは、番組の中で起きた状況を説明します。
20代男性 進藤さんのケース29歳で理系の進藤さん。彼が受けた仕打ちがこちら…。
- 自炊能力が心配だからと、毎日の料理の写真とレシピをLINEで送るように言われる
- 毎日がんばって送ったが、半年後に彼女の父親から学歴差を理由に結婚を断られる
……………。
50代男性 内田さんのケース建設会社の役員をしている50代の内田さん。彼が受けた仕打ちがこちら…。
- 結婚相談所の担当者から、「お相手が生理的に無理と言っています」と伝えられる
- お相手の女性から、「結納金がほしい」「結婚したら生活費は全部払ってほしい」「結婚相談所に払う成婚料を払ってほしい」と言われる
……………。言葉もありません。

結婚相談所には、ろくな女がいないのか?
番組の中では、進藤さん・内田さんのダメな部分も終始見られたので、婚活的な成長の余地はたくさんあるんですけど、それとこれとは関係ない!いまの状態がどうであれ、ひとりの人間として尊重されてしかるべきです。
婚活中であろうが、結婚したあとであろうが関係なく、人は誰でも、その尊厳を大切にされなければいけません。男性が「選ばれる性」で、女性が「選ぶ性」なのは自然の摂理です。人間も例外ではありません。しかし、だからといって、こんなひどい仕打ちを受けるいわれはまったくないのです。
たとえあなたにどんなに問題があろうとも、傷つけられることを正当化する理由にはならないのです。この放送を見た人は、きっとこう思うでしょう。
「結婚相談所には、ろくな女がいない」と。
でも、彼女たちだって結婚したいはずですよね?結婚したいから、結婚相談所で婚活をしているはずですよね?
それなのに、なぜこんなことをするのでしょうか?
お断りするという結果は仕方ありません。でもそれなら、単純にお断りするだけでよかったのでは? 彼女たちの言動の理由と目的を考えていきましょう。
婚活沼にハマった人の言動の目的
日本最古級の婚活女? かぐや姫は、ろくな女じゃない?

今は昔竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて、竹をとりつゝ、萬の事につかひけり。名をば讃岐造麿となんいひける。
[竹取物語]
中学校で暗唱した人も多いのではないでしょうか? 竹取物語(かぐや姫)の有名な冒頭部分です。日本人なら誰でもあらすじを言えるような作品です。
竹取物語を原作にした映画『かぐや姫の物語』は大傑作ですよね。私はジブリ映画でいちばん好きです。
なかでも、かぐや姫が5人の男に求婚される場面は妙なギャグセンスもあって、見ごたえバッチリです。婚活男性のアプローチを受けているわけですから、日本最古級の婚活記録でしょうか。
翁とかぐや姫の会話を超意訳すると、こんな感じですね。
翁「かぐや姫や、わしももう70歳になるし、いつ死ぬかわからん。たのむから結婚してくれ」
かぐや姫「私はそんなに美人でもないし、相手が本気かどうか分からないと、浮気でもされたらイヤだわ。そうだ、私の言うものを持ってくることができた人となら結婚してあげることにする」

かぐや姫が要求したのは、この世に存在しない物のプレゼント。「仏の御石の鉢」「蓬萊の玉の枝」「火鼠の裘」「龍の首の珠」「燕の子安貝」でした。
まさに無理難題!
しかも、男たちの中には、これを手に入れるために旅に出て、命を落とす者まで出てきます。
かぐや姫、ろくな女じゃないのでは…。
婚活沼にハマった人が言い出す無理難題
かぐや姫が要求したプレゼントは、この世に存在しない物でした。すなわち、無理難題です。
かぐや姫のように、婚活をしている人の中にも、無理難題を言い出す人がいるのです。無理難題は3つの段階に分かれます。
無理難題レベル1 高望みをする
婚活を始めたばかりの段階での高望みは、ごく普通のことです。誰でも自分の価値は高く見積もりたいですから、レベルの高い相手を求めます。普通の人は、婚活を続けるうちにだんだんと現実がわかってきて、高望みは収まっていきます。
しかし、一部の人はいつまでも高望みがやめられません。すると、誰にでもある高望みではなく、無理難題レベル1の高望みになります。
レベル1であれば、お相手の異性に迷惑をかけることはありませんので、被害は少ないです。
無理難題レベル2 ハードルを設置する
冒頭で紹介した、進藤さんへのLINEミッションと内田さんへの金銭の要求が、このレベルにあたります。進藤さんの場合は、毎日の料理をLINEで送れと言われました。内田さんの場合は、結納金・生活費・成婚料を要求されました。
このように、越えるのが難しいハードルを設置するのが、無理難題レベル2です。
レベル2になると、いよいよ異性に迷惑がかかるようになりますので、被害が広がります。お相手の婚活への意欲を折ってしまうこともありますから、婚活を続けられなくなるという二次被害も無視できません。
無理難題レベル3 越えられない壁を作る
進藤さんが「父が学歴差を理由に結婚を認めない」と断られたのが、このレベルです。
学歴は過去のことで、いまこの瞬間にはどうしようもありません。いまの努力では変えられない事柄です。「お相手女性の父」の意思も、進藤さんにはどうしようもありません。お相手本人ならともかく、まだ会ってもいない父親を理由にされては、手の出しようがありません。
このように、越えられない壁を示すのが、無理難題レベル3です。
レベル3は、どうやっても絶対に越えられないため、かぐや姫が要求した、この世に存在しないプレゼントと同じです。
かぐや姫の物語は、第三者の視点ならおもしろく読めます。しかし、いざ自分が婚活の当事者になると、相手の言動が越えられない壁の提示だと気づかずに、深く傷ついてしまうことがあります。レベル3の無理難題はお相手本人の尊厳に関わることで、絶対に打ってはいけない手です。

結婚したいはずなのに、なぜそんな無茶を言うのでしょうか?
婚活女性が無理難題を言う目的
かぐや姫がこの世に存在しない物をプレゼントに要求したのは、「結婚しないため」です。 実は、婚活女性が無理難題を言うのも、「結婚しないため」といえます。たとえば、
「高すぎる年収を望まずに、二人で生活を作っていければいいじゃないですか」 「いまはできないことがあっても、二人でできるようになっていけばいいじゃないですか」 「ご家族の意見よりも、あなたの意思でお相手を決めましょうよ」
と言っても、こういう反論が返ってきそうですね。
「高い年収を望むのは、結婚後の生活を考えれば当たり前です!」 「結婚するんだから、相手がどんな人かトコトン確かめないと不安なんです!」 「家族の反対を押し切って結婚しても幸せになれません!」
これらの反論はすべて、無理難題を言う【原因】を言っていますが、それは後付けの理由です。実際には、「結婚しない」という【目的】があって、無理難題を言っているのです。
結婚相談所に登録しているのは結婚するためなのに、なぜ結婚しないことが目的になってしまうのでしょうか?
結婚しないための婚活をする理由
結婚しないことが目的の婚活になってしまう理由は、人それぞれです。ここからは、番組の様子から私が考えたことです。
進藤さんのお相手 園田さんの場合進藤さんのお相手の園田さんは、高学歴の女性でした。
自分がバリバリ働いて、男性に家事全般を任せたいというイマドキな結婚を目指していた彼女の無理難題は、毎日の料理写真とレシピのLINE報告です。
彼女の頭は、男女逆転のイマドキでイケてる結婚観を夢見ています。しかし、彼女の本能は、そんな彼女を思いとどまらせようとしているのではないでしょうか。
「あなたは結婚してはいけない」と、本能が真の目的を示してくるのです。
内田さんのお相手 遼さんの場合イマドキな結婚を目指して婚活をしている自分はカッコイイ。 (でも、本当に結婚しちゃダメ) カッコイイ自分を維持しなきゃ。 (結婚せず婚活し続けるのが正解…)
遼さんは、会社を経営している女性でした。彼女の無理難題は、結納金・生活費・成婚料の支払いです。
彼女の目的は、自分の経営する会社のための結婚だったのではないでしょうか。日本人の男性と一緒になれば、経営にも有利でしょう。結婚相談所にかかる費用なんて、すぐに回収できます。
もちろん、お金はもらえればもらえるほどいいに決まっています。結婚してくれそうな男性がいる。しかも経営者だから、お金が自由になりそうだ…。要求できる限りを要求しておこう。
真の目的はお金で、結婚することは目指していなかったように見えます。
ろくでもない目に遭ったときの対処法
有名なニーバーの祈りを引用します。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。 変えるべきものを変える勇気を、 そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。ラインホルド・ニーバー(Wikipedia「ニーバーの祈り」より)
まず、理不尽な目に遭わされていると「自覚」すること。自分ではとても気づきにくいものです。第三者である婚活仲人と連絡を密にしておくことで、避けられます。
つぎに、静穏に、相手との関係を変えてください。その相手とは、それまでです。
最後に、自分を変えることをあきらめないでください。相手が悪いのだから自分はこのままでいい、と居直らないこと。変えるべきものを自覚しましょう。これもまた、第三者である婚活仲人を頼りましょう。
結婚相談所の活用方法|幸せな結婚をするために
「結婚相談所には、ろくな女がいない」は偽
残念な真実ですが、結婚相談所には、今回の『ザ・ノンフィクション』に登場したような女性会員が存在するようです。
私も俺婚の会員さんも、いまだかつて遭遇したことはありません。俺婚が岡山県という地方都市で営業しているため、都会と地方の差なのか、それとも単に確率の問題なのか…。
それはさておき、こうした一部の事例を取り上げて「結婚相談所には、ろくな女がいない」と考えるのは早計です。とくにXなどのSNSでは面白おかしくネタにされますし、面白い情報は拡散されるので、よく目につくようになります。
実際、『ザ・ノンフィクション』では、ちゃんと幸せに成婚したカップルも取り上げられていましたが、こちらはまったく話題になっていません。普通のことはニュースにならない。いいことはニュースにならないのです。
「結婚相談所には、ろくな女がいない」という命題は錯覚で偽であると、はっきり申し上げておきます。
婚活を終えよう、生活をしよう
就活・婚活の二つの言葉は注目されますが、同じ流れで「生活」は意識されません。
就活・婚活と生活の違いは何でしょうか?
| 就活・婚活 | 生活 | |
|---|---|---|
| 期間の区切り | 始まりと終わりがはっきりある | 終わりなく一生涯続く |
| 長さ | 短期間の活動 | 長期間の活動 |
| 求められること | 効率性 | 持続性 |
| 見ているもの | 現在を査定する | 未来を創造する |
婚活の判断基準と生活の判断基準は、まったく違うのです。
婚活は短期間の活動ですから、効率が求められます。たとえば、東京から大阪まで行くようなものです。
飛行機で羽田から伊丹に飛ぶのがいいのか、新幹線で東京駅から新大阪へ行くのがいいのか。そのくらいの違いはあり得るでしょう。しかし、わざわざ新幹線ののぞみ号ではなく、こだま号を選ぶことはないはずです。
なぜなら、効率が悪いからです。終わりの決まっている活動は、効率性が重要です。
これは、仕事をしているときのあなたと同じです。企業活動は効率性・生産性を最大限に重視しますし、長年働いてきたあなたは、この考え方にすっかり慣れていると思います。
一方で、生活は長期間の活動ですから、持続性が求められます。たとえば、3年かけて世界一周旅行をするようなものです。
飛行機で成田からロサンゼルスへ飛んで、ロンドンへ飛んで、また成田へ飛んで、世界一周終わりました、という人はいません。どうやって寄り道をたくさんして、たくさんの経験をして、たくさんの感情を味わうかを考えるはずです。最初の訪問先で所持金を全額使い切るようなこともせず、節約して計画的に使うでしょう。
これは、家にいるときのあなたと同じです。しかし、最近は映画を見るのにもタイパといわれて早送りされる時代ですから、ツライですね…。
本当に見つけるべきなのは、婚活の相手ではなく、生活の相手です。婚活相手を審査・査定すると地獄化する|スタンフォード監獄実験
婚活は短期間の活動ですから、どうしても査定する、ジャッジするという目でお相手を見てしまいます。効率的に判断するのがいいと、無意識に感じているからです。
しかし、婚活で見つけるべき相手は、生活をともにする相手です。生活は長期間の活動ですから、持続性のないお相手に用はありません。
したがって…。
婚活中のお相手の判断は、「相性を見る」にとどめるべきです。審査や査定の領域に入ってしまうと、とたんに婚活が地獄の舞台になります。あなたに無理難題を言ってくる、あなたを査定してくる、あなたを利用してくる相手は、縁がない相手です。
それでも、婚活のお相手を審査・査定しようとする悪魔の声に、耳を傾けてしまう人がいます。婚活という短期間の活動と、生活という長期間の活動との頭の切り替えが難しいのです。
スタンフォード監獄実験をご存じですか?アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験が行われた。模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学地下実験室を改造したもので、実験期間は2週間の予定だった。
新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた心身ともに健康な21人の被験者の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明された、とジンバルドーは主張した。
(Wikipediaより引用。太字は筆者による)
現在は、この実験の正当性が疑われてはいるのですが、腑に落ちる部分があると思います。
私は、このスタンフォード監獄実験が、婚活中にも起きていると感じます。婚活中に、自分は相手を審査・査定する立場だと、自分で自分に面接官の肩書きを与えてしまうと、面接官の役割に合わせた行動を取ってしまうのではないでしょうか。

普通の女性が「ろくでもない化」するほどに婚活は難しい
婚活、ひいては恋愛や結婚は、きわめて難しい課題です。なぜなら、それは1人では解決できない課題だからです。
婚活は、そして恋愛・結婚は、あなたひとりの課題ではありません。あなたとパートナーとの共通の課題です。赤の他人と出会って、そこから結婚に向けて2人で取り組むなんて課題は、人生で初めての経験です。難しくて当然なのです。
婚活を「私の問題」か「あなたの問題」ととらえた瞬間、スタンフォード監獄実験の始まりです。すぐに、心優しく穏やかな普通の女性が「ろくでもない化」することでしょう。
婚活は、2人の課題です。
あなたのための結婚相談所
婚活中に、ろくでもない人とめぐり会ってしまうこともあるでしょう。これは確率の問題ですから、どうしようもありません。
しかし、そんなときに、過度に傷ついたり、不安になったり、自信をなくしたりしないでください。
いちばんよくないのは、婚活をあきらめてしまうことです。絶対に婚活を終わらせて結婚し、2人の生活を始めるんだと、強い意志を持って臨みましょう。
私たち結婚相談所の婚活仲人は、第三者の視点からあなたを支えていきます。ひとりでは迷ってしまったり、心が折れてしまったりする場面をサポートするのも、仕事のひとつです。二人三脚でがんばっていきましょう!


